昨日、30分ほど本を読んでいました。
その本は出版社のジャンル分けでは「恋愛小説」に分類されているらしいのですが、実際は世界が破滅するかしないかの「SF小説」・・・。
しかし、昨日読み進めた部分は、恋愛小説っぽかったので、一部紹介。
無断転載を避けるため、物語の筋のみ紹介*1


【ここより紹介文】


青年はある少女に恋をしていた。
10年以上も恋焦がれている彼女は、現在記憶喪失。
当然、青年のことも覚えていない。
彼女には2人の恋人が存在していた。
一人は記憶喪失以前の恋人。
もう一人は記憶喪失後の恋人。
青年は、その2人のどちらでもない。


SF小説らしく、世界を破滅に導く戦争(?)が起き、少女はその戦場にいた。
記憶喪失の彼女には、なぜ戦争が起きているのか、どうして自分がその場に居るのかも分からない。
青年は、彼女を安全な場へ助け出そうと彼女の元へ行くのだが・・。


彼女は青年を知らない(覚えていない)。
彼女は現在の恋人(記憶喪失後の恋人)が助けに来るのを待っているのではないか?
自分が助けても、彼女が彼の名を口にしたなら、それに自分は耐えることができるのか?
もしくは、彼女が万が一記憶を取り戻したとしても、以前の恋人(記憶喪失以前の恋人)に想いを寄せていたとしたら・・?
青年は、彼女を助けるのを躊躇した。
苦悩する青年に、悪魔が囁く。


「彼女と一緒に逃げようよ。
 彼女が欲しいんでしょう?
 2人で行動を共にすれば、手に入るわよ。
 誰にもとられる心配もないわ。
 彼女は貴方のものになるの・・」


青年は自己の中で繰り返した。
俺のもの・・俺の女・・俺の・・・・。
反射的に、怒りが湧いてきた。


「俺の好きな彼女は物じゃない。
 道具みたいに言うな!
 俺の都合でどうにでもなる女なんかに、誰が惚れるもんか!」


青年は自分がなぜ彼女を助けることをためらったのか気付いた。
欲だ。
青年は、彼女との再会に欲を持っていたのだ。
自分が受け入れられるという欲、自分が選ばれるという欲・・。
だが、記憶を失った彼女でさえ、自分を選んではくれなかった。
今、この瞬間、彼女を救ったのが自分であれば、もしや振り向いてもらえるかもという欲が、彼を縛っていたのだ。
いつの間にか、彼は見返りを求めて彼女を見ていた。
そのことを認めたくなかった。
自分の欲に気付きたくなかった。


「あんたには、ほんと、片想いがお似合いだわ」


悪魔が青年から離れた。


「そうさ。
 俺は愛されることよりも愛することを選んだんだ」


【上記まで紹介文】


愛する想いを、私はまだ理解しきれません。
けれど、愛されるより愛したい、そうは思います。
いくら愛されても、自らが愛した事がなければ、愛されることの嬉しさも分からない。
愛する喜び、苦しみ・・。
全てを理解できたら、人は幸せになれるのでしょうか?


本気で誰かを愛してみたいと思います。
私も以前の彼と同じなのでしょう。
相手からの見返りがないことを怖れて、真に愛することができません。
だからか、愛してくれる人を傍においてしまうのです。
相手は見返りを期待しているのかしていないのか、それは分かりません。
けれど・・。
少なくとも、善いことではないでしょう。
愛してもいないなら、尚更、相手を縛ってはいけない。

*1:抜粋ではない、という意味