少しは暖かかったか?

結局、優しい言葉は浮かばなかった。
でも、寝てないんだろうって、まだ眠れない状態のままだろうなって思うと…放ってはおけないよ。
『今日もまだ起きているのなら、もう寝てください。
 ベッドで横になるだけでも、違いますから。
 起こしたのなら、ごめんなさい』
トゲトゲしい言い方でしか言葉、綴れなかった。
努力します、って返事着たね。
そんな返事で、君が眠れたなんて、誰が思うっていうんだ?
電話をかけた。
付き合っていた時に君が、面と向かって唯一「いい」と評した、この声で。
「ホンマ、ありがとう。
 元気になった」
訛っている声。
少しは活力が出たみたい。


…変わらない。
辛い思いを溜め込んで、そんな時、決まって僕が針を刺してしまう。
僕に向かって爆発させて、そして、余計に落ち込んでさ。
話しかけるまで、全然元気になってくれない。
もう、大丈夫だよね?


今朝のモーニングコールは、昨夜の電話の延長。
君は、夜より朝のほうが不安だったよね?
今回は、これ以上、励まさないよ。
「しばらく怒っていてください」
って君が言ったんだから。
僕はもう、怒ってなんかいない。
君の痛みが伝わっているから。
これ以上は、甘くしかできそうにないんだ。
だから、頑張って。
もう僕がやらなくても、君が元気でいられるように。