02 花火師口上

「リネの中でも時間って流れてるんだよ」
彼は言った。
「昔はみんな、狩場に関係なく集まれたのにね」
久々にクラハンをした次の日も、私たちは話をしていた。
私がスキン屋をしていると知った彼が、飛んできて、隣でブレス屋*1を始めたのだ。
「覚えてるかな?
 花火師をやってくれてた頃のこと」
「あぁ、やってたねw」
「花火を打ち上げる前に、口上があったでしょ。
 あの台詞、好きなんだ」
「うむ。久々に言ってみるか。
 ・・思い出せるかな?w」


☆画像参照☆


大切な仲間といられることが、私にとってのリネの道だった。
皆といるだけで楽しかったあの頃には、どうやっても戻れなかった。
彼は引退への道を進んでいる。
それは、どうやっても止められない気がしていた。
やめるのも、続けるのも、個人の自由だ。
分かっている。
けれど、日を追うごとに、彼と別れたくないと願う心が大きくなっていった。

*1:ブレスウェポンをかける