07 それから・・

その日以来、私はエルフとして彼に会うようになった。
彼は私が二条を演じていてもいいとは言ったけれど、エルフで会うことを望んでいるのは確かだったからだ。
彼はとても強いエルフだ。
wizで会いに来ることもあるが、エルフでいる時の強さに比べると、どうしても劣る。
同じことといえば、自己回復も、私の回復も、どちらも1人でやってのけること。
「絶対に逝かさんから」
どんなに厳しい状況でも、彼は私を逝かさなかったし、彼自身も逝かなかった。
彼とは狩の休憩に話をするようにもなった。
リアルの話もするけれど、彼は決して私の年や性別、場所を聞かない。
「聞くとさ、どんなに忘れようと思ってもRPGできんよ」
そう言う。
時が来れば、私はその内、彼に話したいと思っている。
彼が私を知らなくても、私は彼のことを聞いているから。
その時がいつになるかは分からないけれど、一途に守ってくれる彼に、隠し事はしたくない。
彼には、とても感謝しているのだから。