07 約束

クラン員が私たち2人の時、王子はいくつかの約束をしてくれた。
初めてのクラン員だからか、王子は私をとても優遇してくれている。
私が嫌がっていることに気付いて、長い間、他のクラン員を入れなかったこともそのひとつだ。


王子は元wiz。
最高の装備を纏い、貯蓄も多々あった。
しかし、引退する時に燃やしたり、譲ったりで、王子を始めた頃には、かろうじて狩が出来る装備、という程度だった。
資金もないのに、私の作成したwizと結婚すると言ったものだから、指輪代*1がなかった。
「二人で歩いてアデン*2まで行けたら、その時に結婚しよう」
私の提案に、王子は賛成してくれた。
そのために、王子も私も、クラン設立からしばらく、アデンのBM*3がなかった。
また、クラン員を入れることに口では賛成しながらも嫌がっていた私に、王子はこう言ってくれた。
「王子でいる時は、Diceと一緒にいるよ」
王子のwizであることが、目的になっていた。
王子が望むから、クラン員の補助もする。
血盟副官にあるまじき考えなのだとは思っていたが、王子の望みでなければ、
クランに残ってはいなかっただろう。
wizを操る時、私は王子最優先で動いている。
彼がいるから存在し、彼の助けになると信じてサポートしていた。
王子との2人の時間がなければ、即クラン脱退していたに違いない。


王子の言葉を想い、行動する内、私には多くの素晴らしい仲間が増えていた。

*1:エンゲージリング。2つないと結婚できない

*2:結婚できる場所はアデン聖堂のみ

*3:ブックマーク